Invisible Golden Flower
Jun Kawabata
2009年美術監督の木村威夫が監督した『黄金花』の音楽とプロデュースをした。木村先生とは5作品程色々制作した。楽しい思い出だ。ぶっ飛んでシュールな作品ばかりだった。炸裂しているのだ。

特にこの『黄金花』は理解できないと皆に言われた。不老不死とか輪廻転生をテーマにしたストーリーだったんだけど。僕は一向に気にしなかった。100年先まできっと存在する作品かなと思っている。

先生は飲むのが好きで週に何回も色々飲みに行った。早い時は朝6時頃電話かかってきた。『今日どうかね?』うなぎが好きでよく行った。一生分くらい食べたかもしれない。そしてよく歩いた。一体何をあんなに話していたのかなと思う。映画のことはあまり話さなかったが発想の仕方は知らないうちに学んだかもしれない。それとうなぎについて。

『黄金花』は京都ロケだった。だから、毎晩先斗町に飲みに行った。当然うなぎ屋にも行った。

長門裕之さんにはステーキを奢っていただいた。店では給仕さんたちにそっと心付を渡していてさすがだなと思った。

ある晩は木村先生に舞妓さんがいる店に連れていっていただいた。でも、初めて見る舞妓はラジカセで歌っていたのだ。
映画は初めの考えと少しずつ変わっていった。突然あるシーンがカットされたりもした。

撮影中に木村先生が言いたかったことはこういうことかもしれないなとも思った。それで僕はそんな気持ちを思い出しながらこのアルバムを作った。ほんのちょっとはいいかもしれない。

ジャケット写真は上野の不忍池。それと中は五反田の目黒川。

『黄金花』作中、原田芳雄さんが池で亡くなるシーンがあるのだが、それと重ねた。そういえば音楽のマスタリングはドローン音楽で活躍している畠山地平にお願いした。彼も映画制作のスタッフの一人だった。

木村監督作品の『馬頭琴夜想曲』を作った時、やはりどこかで飲んでいて、話の中で世界はもうダメだねみたいな言葉がでた。そうだ先生、『世界は泣いている』をエンドロールに入れましょうという事になった。

2023年今、世界は泣いているのかもしれない。


黄金花
Old Salmon (海を見つめて)
馬頭琴夜想曲

Invisible Golden Flower
Jun Kawabata
    01. Garden
    02. Untouchable
    03. Eraserhead
    04. Nagasaki 08091102 Plutonium 239
    05. Since Then
    06. Lingering Past Futures : Rain Drops
    07. Lingering Past Futures : March
    08. Lingering Past Futures : Garden
    09. Maya
    10. Atman
    11. Flower
    12. Requiem of the Sun and Moon

Credit
    Music and Photos
    Jun Kawabata

    Mastering
    Chihei Hatakeyama

    Design
    Wataru Yoshioka/ol>
      Produced by Jun Kawabata

      @2023 Airplane Label Tokyo

      Dedicated to Kimura Takeo

      Thanks, Mike Kato