断章-3-

ドイツ人とは毎夜、ソウルは何処からきて何処へいくのかについて話し合っていた。
答えはない。
でもグレートバレーを見た時は、
人間はここから生まれるべくして生まれたんだなという必然を膚で感じた。

ある日の朝、路地裏から美しい合唱が聴こえてきた。
島中の子供たちが歌いながらゆっくり歩いていたのだ。
清々しく、心洗われるようだった。
その頃、島ではコレラが流行していて、
それを鎮めるお祈りをしながら練り歩いていたのだった。
ここでは医者に頼る事はできないのだ。